外国で商標登録を受けるためには、いくつかのルートがあります。一つは、各国ごとに出願して登録して権利を取得する方法(パリルートとも呼ばれる)、二つ目は、本年度から導入された制度ですが、マドリッド協定議定書に基づく国際商標登録制度を利用する方法、三つ目は、ヨーロッパに関しては共同体商標制度(CTM:The European Community Trade Mark)を利用する方法です。二つ目のマドリッド協定議定書(以下、議定書といいます)は、商標について、世界知的所有権機関(以下WIPOといいます)の国際事務務局が管理する国際登録簿に国際登録することにより、議定書に加盟している各締約国において、その商標保護を確保することができることを内容とする条約です。日本国の特許庁に、商標を出願している出願人または商標登録をしている者は、それを基礎として保護を求める国を指定(領域指定)し、日本国特許庁を通じて国際事務局に国際登録出願をします。国際事務局が維持管理する国際登録簿にその商標が登録された場合、国際登録日が付され、指定した国において一定の条件を満たすことにより商標の保護を確保することができます。(世界知的所有権機関(WIPO:World Intellectual Property Organization)は、全世界にわたって知的所有権の保護を促進すること等を目的とする国連の専門機関の一つで、スイス・ジュネーブに本部があります。)マドリッド協定議定書に基づく国際商標登録制度は、日本での登録された商標であるか登録される可能性の高い商標の場合にお勧めできる制度です。
三つ目の共同体商標制度は、欧州連合での国内市場を統一的な市場へと促進することを目的とする共同体商標制度です。この共同体商標法に基づくすべての共同体商標出願と登録は、常に加盟国を含む共同体全体の地域をカバーします。共同体商標出願は、欧州商標庁または工業所有権の保護のための国内中央官庁(特許および商標庁)に提出することができます。わが国から出願する場合には、現地の代理人を通さずに出願をすることはできません。共同体商標の保護機関は、出願日から10年で、更新手数料を納付することでさらに10年延長されます。